アーティストの制作現場を鑑賞・体験するイベント 「AKAO OPEN RESIDENCE #3」開催のお知らせ
左上:渡邊慎二郎|左下:華雪|右上:河野未彩|右下:安部勇磨
「AKAO ART RESIDENCE」で滞在するアーティストの制作現場を鑑賞・体験する「AKAO OPEN RESIDENCE #3」の開催をお知らせします。
「AKAO ART RESIDENCE」では、アーティストがアカオリゾートに実際に滞在し、“熱海”というフィールドをキャンバスとして、滞在中に見つけた魅力をアートで表現するプロジェクトです。各アーティストが滞在中にそれぞれ感じた物事を表現し、熱海に訪れた方にアーティストと触れ合い、アートを身近に感じてもらう場を開く事を相互の目的として、制作現場を鑑賞・体験できる「AKAO OPEN RESIDENCE #3」を2021年10月16日(土)〜10月17日(日)で開催します。
展示、トークイベントなど様々なプログラムを企画しており、ホテル宿泊有無に関わらずご参加いただける公開プログラムとなっております。
ぜひこの機会に熱海へお越しください。
【イベント概要】
日時:
10月16日(土)展示:9:00〜11:00/13:30〜17:00、安部勇磨トークイベント:15:00〜16:00
10月17日(日)展示:9:00〜11:00/13:30〜17:00
時間内参加自由、予約不要
参加費:無料
会場:ホテルニューアカオ(〒413-8555 静岡県熱海市熱海1993-250)
※ロイヤルウイングフロント前にイベントインフォメーションを設置します。各プログラム詳細の場所はインフォメーションにて。
※イベントにお越しのお客様(ご宿泊のお客様以外)はホテルの駐車場に限りがありますので、公共交通機関をご利用いただきますようご協力をお願いいたします。
無料送迎バスはご利用いただけます。
送迎バス時刻、乗り場などの詳細はこちらから
https://www.i-akao.com/access/
参加作家:安部勇磨、華雪、花坊、河野未彩、渡邊慎二郎
プログラム詳細:
安部勇磨 Yuma Abe
never young beachのボーカル&ギター、そしてソロとしても活動する安部勇磨は、熱海滞在中にライブMOVIEを撮影しました。その映像をイベント中、上映します。
また、10月16日(土)15:00〜16:00に熱海での滞在中の出来事やライブMOVIE制作について語るトークイベントを行います。
安部勇磨トークイベント(事前予約制)
10月16日(土)15:00〜16:00
ご予約はこちらから
https://open-residence3-yuma-abe.peatix.com
華雪 Kasetsu
書家の華雪が滞在しながら着目したのは、日々移り変わる「雲」や「月」、そしてホテルニューアカオの歴史とともに存在する「松」でした。日常では見落としてしまいがちなこれらの要素を書という形で展示します。
①〈まつ――「木」を書く〉
▼アーティストステイトメント
滞在するホテルニューアカオは景勝地錦ヶ浦の崖に張り出すように建てられている。そこは30万年前の多賀火山の噴火による溶岩が冷やされ隆起した岩場だ。
その岩には松が自生する。中でも、ホテルが出来る前からあったという一本の松の幹はとりわけ大きくうねり、今では根元を見ることができない。
松の生える岩は赤黒く複雑なかたちをしていて、あちらこちらに走る細い亀裂が松の幹へと続いている。ここからは見えない松の根が暗い岩の隙間に細く伸びてゆく様子を想像していると、目の前で計り知れない巨きな時間が絡まり合っているように感じられてくる。
松は、常緑樹の松には長寿を寿ぐ象徴とされてきた。また、そこに神が宿るのを待つといったイメージから、古来より和歌の中では「松」と「待つ」を掛けあわせて用いられてきた。
溶岩から生える松のたくましさと異様さに、なにかを待ち続けている姿が重なる。
②〈みえないものたち―「气」|雲の流れる様子を書く〉
▼アーティストステイトメント
「气」の字は、雲の流れる様子を表し、そこから、やがて目に見えない流れゆくものも含めて表すようになった。
象形文字は3本の横線で書かれる。
熱海に来て、「气」の字の元となった雲の様子を定点観測することにした。
ただ、雲を描こうとすればするほど、何を描いているのかわからなくなる。見ていると思っているものが果たして実際にあるのかさえおぼろげに思えてくる。
雲が水蒸気で出来ているというささやかな知識を頼りにするも、雲を見ているという実感はあやうい。
夏から秋へと季節がうつろう間、雲を描き続けた。
見えていると思っていたものが、風に散らされ、たちまち姿を変えて、見えなくなってゆく。あるいは逆に、たしかに見ていたつもりのものが、思いもよらない別な姿に変わってゆく。
空にはたくさん雲があって、でも、わたしの目は自分が見たいかたちを追っているだけなのだと、雲を書き重ねるうちに思い知る。
雲を描こうと試行錯誤しているうちに古代を生きたいつかの誰かもまた、雲のうごきを字としてどう書くかを考えるために、こんなふうにいくつもの雲を描いたのだろうか、と想像する。
そして、ひとつの字の中で、雲の動きが、やがてひとの感情の動きへと連なっていった不思議を思う。
③〈写生――「月」を書く〉
▼アーティストステイトメント
目の前に広がる海原の先の水平線から、月が滲むように現れる。
月は少しずつ空へと上ってゆき、水面には月の光が落ちて漂う。
「月」の字は三日月を象るとされている。
幼い頃、三日月のかたちが、けれどあらゆる様子の月を意味する「月」の字の有り様が面白くて仕方がなかった。
熱海に来て、満月に3度出会った。その度に「月」の字を書いていたら、気づくと部屋中が「月」の字で埋まっていた。
月を見る。
ただそれだけのことさえ出来なくなっているふだんの日々を省みる。
花坊 Kabo
写真家の花坊が、ホテルニューアカオのスタッフや熱海に住む人々を被写体に、彼らにドレスを着てもらい、ニューアカオ館内で撮影したポートレート写真の展示を行います。
そして、ニューアカオ創業時から自生する松をテーマにした作品も展示します。
①rental dress 『海雅』
▼アーティストステイトメント
ホテルニューアカオ1階にある、レンタルドレス『海雅』
普段は宿泊の方が記念に撮影するドレスをアカオにお勤めの皆さんと熱海にお住まいの方達に着ていただき、普段見ることのできない部屋の中をお借りして撮影しました。
アカオ館内の写真とともに展示します。
②翠巒の松
▼アーティストステイトメント
創業者の赤尾蔵之介が愛した『錦ヶ浦の風景』自ら自然園に移植した『月光の松』、それぞれの松が辿った歴史をインスタレーション作品にしました。
河野未彩 Midori Kawano
視覚ディレクター・グラフィックアーティストの河野未彩は熱海で毎日眺めた水平線の景色から着想を得た大型レンチキュラー作品とアートディレクターとしてホテルニューアカオにて撮影したビジュアル作品を展示します。
①「 ←左右→ Extended 」
▼アーティストステイトメント
明け方、光の気配が空と海を二分した。
刻一刻と変わっていく色、左右に広がる水平線。
水平線はいつも「私」が真ん中に存在しているかのように世界をみせる。
この普遍の線に意識を置いた。
明←→暗
古←→新
柔←→硬
静←→動
いろんな座標軸を右往左往して誰もがいつも宇宙の唯一の点にいる。
どの点からも違ってみえる、その美しい現象を共有してみたい。
②「ニューシマイ in ニューアカオ」
アートディレクターとしてニューアカオ館内にて撮影した、唄とアコーディオンの姉妹ユニット”チャラン・ポ・ランタン”の独立記念ビジュアル。
Photo:磯部昭子
Hair&Make:豊田陽介
Styling:西村茜音
渡邊慎二郎 Shinjiro Watanabe
アーティスト渡邊慎二郎は熱海の植物に着目し、滞在中リサーチを重ねてきました。リサーチを元に制作した写真作品や映像作品、インスタレーションを展示します。
①「浸る植物」
熱海滞在中にて行っている夜散歩にて撮影してきた、熱海に浸っている夜の植物達を写真作品及びインスタレーションとして展示します。
▼アーティストステイトメント
熱海滞在中に山肌に映る雲の影を眺めていた。海の水平線のような雲の底は大気の中に私たちが包まれていることを実感させてくれる。そして、大地に根を張り地球と接続している植物にとって雲は陰となり雨となり風となり、植物は雲の運動とともに光を求めるため枝葉を伸ばし、酸素を作りだして環境になっていく。人間にも同じような環境があるが体内の器の中に内包されている。植物は大気に向かって直接的に血管を伸ばしていき、人間は体内に向かって間接的に枝葉を伸ばしていき、大気と関わっている。
②「なびく植物」
熱海に流れる風を受け止め動いている植物が奏でる音を音楽に変換し、映像として展示いたします。
華雪 × 花坊 × 河野未彩 × 渡邊慎二郎
『花火』
同時期に滞在していた4作家による光を用いた合作。それぞれ違う活動をしているアーティストが集い、それぞれの象徴を光で描いた作品を発表します。(撮影:花坊)